丹後人図鑑

Interviews

『 祖父母の暮らしていたまち、丹後に住んでみたいと思いました 』

WEB・グラフィックデザイナー

森口 友裕 さんTomohiro Moriguchi

孫ターン 丹後人歴:2017年~

京都府綾部市生まれ、京都市育ち。
丹後への移住のきっかけは祖父母との日々の想い出。
移住してからは、本業とまちづくりで大忙し。
ちなみに、森口さんが取材陣に振舞ってくれたペペロンチーノは絶品でした(笑)
https://tasnana.com

小さい頃から来ていた、おじいちゃんおばあちゃんが暮らす思い出の場所。

京丹後市久美浜町は父方の祖父母の家があり、小さい頃から盆正月には必ず遊びに来ていました。昔は、夏の久美浜町蒲井の海水浴場に設置されていた飛び込み台(今は残念ながら無くなってしまいましたが)、冬の今とは違う雪の多さが印象的でした。

27、8歳の頃の3月~8月に月の半分は久美浜のおばあちゃんの家に住みながらメロン農家のお手伝いを、半分は京都に戻るという、“半農半京都”の暮らしをしていました。

そのときに、ゆくゆくこの家を頼むと祖父母に言われていましたが、京都市でデザイン事務所の立ち上げなど、タイミングを逃していました。一作年の9月に祖父母の体調が悪くなり、面倒をみたいと思いその2か月後に移住。残念ながら亡くなってしまいましたが、看取ることができました。

いろいろ経験して、デザインを仕事にしたいと思った。

デザインに興味を持ったのは大学の頃。学校では知識重視型でしたが、途中でフランスに3カ月滞在し、デザインに対する自分の熱量との違いを感じてしまい、一旦デザインの道を諦め、アパレルやカフェなどいろんな仕事を経験しました。いろいろやりつくし、やはりデザインをやりたいと30歳で独立しました。サラリーマンは自分には向いてないなと思いました(笑)。

デザインの仕事は場所を選ばないので、京都市でも自宅を職場にしていました。HPでの宣伝はせず、クライアントはクチコミや友人など、もともと自分のやり方を信頼してくれる方ばかりだったので、京都市から京丹後市への事務所を移動しても、信頼関係はそのままに、未だにお仕事を続けています。

京丹後市でも同様に、お手伝いをしたメロン農家さんをはじめ、関わりのなかから少しずつお仕事が生まれてきています。

地域の中で生きていると思える関係性を築きたい。

京丹後市での人間関係はほぼゼロからのスタートでしたが、京丹後市の未来ラボに参加したことや、青年会議所(JC)に入ることで繋がりが増えました。JCは地元の中で活動しているので、地域の方や学校、行政と繋がることができました。

JCでは普段のデザインの仕事でクライアントへプレゼンするのとは違い、何百人という大勢の人の前で話す機会があり勉強になっています。子供や地域のことなど、まちづくりに重きをおいている団体なので、大変そうと思われがちですが、おもしろいことやっているなと思ってもらえるような活動をしていきたいです。  京都市では無かった隣組のことも理解し、地に足をつけ根付く活動、地域の中で生きていると思えるような関係性を築きたいです。

丹後に暮らし始めて気付いた日本海の迫力。

久美浜の家は内海(久美浜湾)なのでとても穏やかですが、最近になって初めて丹後町に行き、つい戻って車を停めて映像を撮ってしまうほどの、外海(日本海)の持つ迫力、広大さ、絶景に圧倒されました。

京丹後市は京都市内にあるようで無い、ほど良い里があると思います。田畑は田畑でひらけ”面”となり、集落に家が集まり”点”となっているコントラストがおもしろい。点と点を結んでいくと”まち”になっていく。久美浜は特に特殊な地理・地形と里の風景があります。

唯一短所が距離で、お仕事で京都市に行く高速に乗るために大宮町に、JCの活動で峰山町に行き来することが多いので、久美浜からの移動はけっこう大変ですね(笑)。

やりたいことをやることがオン。なので、オフはほとんどありません。

やりたいことをやっているので、休日という概念がないです。自分の休みたいときに休むので、土日休みということもないです。なので、休むときは体を休めたいときなので寝ていることが多いです(笑)。

 そういえば、座禅がおすすめです。祖父母のことなどでとてもお世話になった和尚さんの勧めで1年前くらいから通い始めました。この忙しい時代にただ何もしない無になる時間は必要だし、とても贅沢だと思います。久美浜町神崎の宝勝寺で毎朝5時から、誰が行ってもいいので、事前にレクチャーを受けたら行けますよ。

 そんなこの田舎ならではの自分だけの過ごし方を見つけられたら、ゆっくりとした時間の中で「自分のペースで呼吸」して暮らすことができるんじゃないでしょうか。

“とっておきの1枚”

おばあちゃんと見た景色

移住する数年前に祖母と暮らしていた頃の久美浜湾のいつかの夕暮れ。 いつか帰ってきて一緒に暮らそうと言ってくれた祖母のこと。 亡くなってしまったけれど、ずっとこの生まれ故郷の久美浜に帰って来たかった父のこと。 そういう想いとともに僕はいま久美浜にいるんだなと思います。

撮影場所:小天橋駅前の桟橋(久美浜町)、自宅兼オフィス(久美浜町)