Interviews
京丹後市網野町出身。
2019年3月に久美浜町の地域おこし協力隊を卒業。
ニックネームは〝18号″。ちょっとクールな見た目とは裏腹に地域のおじちゃん・おばちゃんと民俗学が好きな京丹後のおしゃれ番長。そしてお酒が好きで食いしん坊。
デザイナーの視点で丹後の写真映えスポットをたくさん知っています!
京都市内で5年間ほどWEBデザイナーをしていましたが、三姉妹の長女で、親からはずっと帰って来てほしいと言われていたので、なんとなく30歳くらいで京丹後に帰るんだろうなと他人事のように考えていました。
予定より早い26歳のときに父親が体調を崩してしまい、ちょうどそのタイミングでデザイン会社を転職しようと思っていたので、ああ、時が来たんだなと思いUターンを決断しました。
京都市内での暮らしは好きでしたが、当たり前ですが海がなくて、何もないと思って出てきた丹後に、海が見たくて帰省するうちに、丹後にはいい景色がいっぱいあると気付き、だんだん良さを実感するようになりました。
京都市の人に京丹後出身と言っても宮津や丹波と間違えられたりなど、丹後を知らない人が多かったので、自己顕示欲が強い私は、丹後の良さをもっと知ってもらいたいと思うようになり、2014年から趣味で「UM PAPER (ウムペーパー) 」というフリーペーパーを作りはじめました。
UM PAPERを作ったことで、丹後や但馬にUターンしたプレイヤーたちとも繋がるようになってイベントに出店したりしはじめ、こんな素敵な人たちがいるなら30歳まで待たずに帰ってきても退屈しないなと思えるようになりました。
田舎でも(何なら在宅でも)働ける職種としてWEBデザイナーの仕事を選び、丹後に帰るときはデザインで丹後を盛り上げられたらと思っていましたが、仕事の上での地域との繋がりがほとんどなく、デザイナーとして安定できるのか心配でした。
そこで知人から、地域のことが好きだったらぴったりだと地域おこし協力隊を紹介され、出身地の隣町でしたが、ちょうどUM PAPER ISSUE02の撮影地でよく行っていた久美浜の協力隊に応募することに。
最初の面接のときは「こんな田舎でデザインなんて要るの?」と言っていたおじちゃんたちが、デザインに期待を持ち、相談してくれたり予算を確保してくれたりするように変化したのはとても嬉しいことでした。
いい資源があるのに、ちゃんと宣伝ができていなかったり、最近の流れを知らなかったりするので、こういうデザイン・宣伝方法があるよと提案をしていきます。そうすることで、地域の人がデザインの可能性を感じる瞬間を目の当たりにできるのも楽しく、これからもそういった仕事をしていきたいです。
地域おこし協力隊卒業後は、当初の予定どおり、フリーランスのデザイナーとして独立します。
協力隊を経たことで、移住者のサポートをしながら空き家の情報など知れたし、町に暮らしていないとわからない情報が空き家以外でもたくさんあったり、デザインの仕事も含め、丹後じゅうや但馬などいろんな地域の人と繋がることができました。
そして、協力隊前はただ自分のスペースとして事務所を持ちたいと思っていましたが、協力隊を経て人が集まる場所を作っていきたいと思うようになりました。
丹後では食べるところ以外で、見るところ・買い物できるところが圧倒的に少ないので、事務所を開くときは、展示&物販スペースを併設した立ち寄りスポットをみんなと協力しながら作っていきたいです。
移住者は波長の合う仲間をつくるのがおすすめです。(できるだけ移住前に!)
丹後は若者UIターンの人がすぐに繋がれるので、波長が合う人を一人でも見つけられたら協力しあえる仲間とどんどん繋がっていけると思っています。
いまは、おじいちゃんとしゃべることや人に関わることが仕事であり趣味になっていますし、イベントに合わせて休みをとったり、休みがバラバラの近隣の友人のお店に遊びにいくなど休日を選べる暮らしをしています。そんな暮らしができるのは丹後ならではと思います。
また、浦島太郎や羽衣天女など、丹後には昔話や伝説が多いのですが、小さい頃から丹後七姫ゆかりの地に連れていってもらったり、読み聞かせの本が子供用の日本書紀だったりと、家族の影響で神話や歴史・民俗学、人の生活に根付いたストーリーが好きです。
以前は興味のなかった古墳も丹後の歴史に欠かせないものと知って興味が湧いてきています。
休日にはそれらを巡ったりするのですが、巻き込まれた友人たちも歴史好きになってきています。笑
自分の住んでいる土地に古い歴史や伝統があるとうれしくてもっと知りたくなりますし、知らない話があるとワクワクしますね!
京都市内で仲間と開催していた「シナスタジア」というワイン・食・音楽・植物や映像が一体となったイベントを、久美浜で開催することに。丹後や但馬の飲食店と打ち合わせを重ね、地域の方々にも協力してもらい、集客は定員100名をオーバー。 このイベントをきっかけにつながった仲間が、行き来をしたりイベントをしたりと輪が増えていき、忘れられない大切な一歩となりました。
撮影場所:豪商稲葉本家(久美浜町)、waterside cottage Heron(久美浜町)