Interviews
京丹後大宮インターの両サイドに位置する三重区と森本区。その両地区を盛り上げる「まんぐるわ」は、笑顔が素敵な女性10人で活動しています(残念ながら取材日には一人欠席)。開口一番に「今が一番楽しい!」と口を揃えて話すみなさん。
この笑顔に軽トラ朝市(とっておき写真でご紹介)で出会えます!
詳しい活動は、HPをご覧ください。温かい写真いっぱいでわかりやすいですよ!
来て〜なあ 三重と森本 https://miemorimoto-kyoto.com/
山陰近畿自動車道の最終地点、京丹後市の入り口になる京丹後大宮ICの左右に位置する三重区と森本区。京丹後市内だけでなく、お隣の宮津市や与謝野町へも通勤圏が広がっていて、車で10分ほどで、まちの中心部にあるスーパーにも行けます。
森本は、むかしから大宮町“初”が多かった地域だったそう。水道や下水道(集落排水)を引くのも一番だったし、ガスはプロパンガスの集中配管でなんと都市ガスと同様に使えるとのこと。田舎ではプロパンガスがほぼ常識なので、すごいこと!おそらく京丹後市では唯一ではないでしょうか?
下水道の接続時も、通常京丹後市では個々人で分担金として30万円前後の用意が必要ですが、この地域では、2年かけてみんなで積立てして準備したそう。バスはバス通りで手をあげたら止まってくれ好きなところで乗り降りができるようですよ!
みなさん、もともと三重・森本地区の出身ではなく、京丹後市内でも合併前の弥栄町や峰山町、隣町の与謝野町、遠くは島根、大阪、愛知からお嫁さんで来て子育てをされています。
「水・お米が美味しい」「人が温かい」「環境がいい」「交通の便がいい」など、良いことばかり。不便なことや不満足なことも聞き出そうとして、出た話は雪のこと。最近は少なくなってきたけど、昔は雪が比較的積もる地域で、狭い路地で雪を捨てる場所がなく軒下まで雪が積もったこともあったね~と、これもまた楽しそうに盛り上がる。
生活の満足度が高く、どんな状況も楽しむ雰囲気は、「嫁で来ると、しがらみがない」「男性陣が女性陣の活動に協力的」で、「どちらも元気でバランスが良い」ことが秘訣のよう。
女性陣が、まんぐるわで加工所をやりたいと言ったら、男性陣が空き家を探してくれるなど応援してくれる。男性陣は男性陣で移住促進協議会を設立するなど、空き家の発掘や地域の紹介などに取り組む。それぞれが得意な分野でできることを担い、協力しあうことが積み重なっていると、男性陣への感謝の言葉が出てくるのが印象的でした。
取材は軽トラ朝市の前日。加工部は販売用のきゅうりの醤油漬けの仕込み、野菜部は野菜の栽培カレンダーの作成、デザイン部は前回あっというまに完売したことを受け「完売しました 来月もお待ちしています!」看板を作成、と役割分担し、それぞれが相談しあいながら責任をもって作業を進めていました。
軽トラ朝市の野菜は、今までそれぞれの畑で収穫した野菜を持ち寄る形だったが、今年からは、まんぐるわで畑を借りて、野菜の栽培に取り組みはじめました。年間200種類栽培しているとのことで、慣れた人だから農業が出来ていると思いきや、みなさん野菜づくりは60歳過ぎてからはじめ、育てる喜びを感じているそう。
軽トラ朝市のお客さんは同年代をはじめ、子連れの方、高速道路の利用者で、喜ばれるからと野菜をお土産に買っていってくれるそう。最初は野菜が売れることが気になっていたが、今では1年前に立ち寄ってくれた大阪の方がまた来てくれたり、お客さんの感想が聞けることが喜びになるように。
ちなみに、今は大阪の天王寺とレストランに週1回出荷しているとのこと。
現在、森本区の公民館を活動拠点にし、一週間に一回集まり活動しているが、公民館以外で集える場所づくりをしたいと2020年には加工所の設立を予定しています。子育て世代の人でも好きな時間に3時間働いて時間給を出せるようなビジネスモデルを作りたいなど、ビジョンは尽きない様子。
取材中「だいちゃんが更新したfacebookのカバー写真を見て、丹後にはこんな景色もあるのかと感動した」と誰かが口にすると、みなさんスマホをチェックしはじめました。
三重・森本地域には、京都府の制度「里の公共員」として、ひとつ前の人物図鑑に登場いただいた吉岡 大さんが、専門分野を活かして「移住定住」や「空き家の利活用」を中心とした活動を地域と一緒に取り組んでいます。
その活動の一環で地域の人が自分たちの手で情報発信ができるように、スマホ・facebook・地域のホームページのブログの更新などを講習してくれたそう。みなさん60歳以上でガラケーからスマホになり、若者に学ぶことが多いと感謝を口にしていました。新しいことを拒むほうが簡単ですが、学ぶ喜びを感じ、受け入れる柔軟さはこの地域が積み上げてきた気質のよう。
ただこの地域も他の地域と同様に、当初は男性が表立った活動をしていました。女性陣は表に出るのが苦手だと思っていたのですが、それを三重・森本地域に入っている龍谷大学の先生が元気なお母さん達がいっぱいいるじゃないですか!と引っ張りだしてくれて、それがまんぐるわをはじめたきっかけだそう。外から来た人の力は大きいという言葉には実感がこもっていました。
三重・森本地域では、森本地区の中心に位置する空き家を、(家主の理解もあり)「お試し住宅」として移住希望者が最大1年地域で生活体験できるように、DIYでみんなで改修しました。
現在お試し住宅を利用している人がこの地区に住みたいと言ってくれているので、その想いを受け止めて、みんなで空き家を探すなど地区で受け入れられるように動いています。
「産まれたらまた連れてきて!」と夏に出産を控える取材メンバーのお腹を嬉しそうに撫でるお母さん達。学校が近いわけではないので(小学校・中学校はスクールバス)、むかしから子育てはみんなで協力してきました。もし、子供がいる家族の移住なら、みんなで喜んで子守りをします!と言う姿は頼もしい限りです。
移住者に来てほしい!と願うのではなく、外から見て入りたいと思える雰囲気づくりと、特技を活かして一人一人が活躍できる地域にしたいという姿に、元気やチャレンジ精神をもらうこと間違いなしです!
4~12月の毎月第3土曜日、8:00~11:00頃。京丹後市大宮IC出入り口すぐ(丹後カメラ部のK参照)。化学肥料を使わない「おいしくて安心」な旬のお野菜や、きゅうりの醤油漬けなどの加工品が軽トラの荷台にたっぷり並びます。昨年は盆花が大人気!笑顔が素敵な看板娘たちに会いたい常連さんも多いそう。なくなり次第終了・完売することも多いので、お早めに!
撮影場所:森本公民館とその周辺(大宮町)