丹後新聞部

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コラム
2020.05.24

丹後暮らし探求記 〜農家見習いの暮らし歳時記 vol.1〜米どころのまちで、2年目の稲作チャレンジ!

◆丹後の四季と暮らしをお届けします

初めまして。今月から丹後暮らし探求記をお届けする、老籾(おいもみ)ちひろです。

私は京丹後市峰山町出身で、2018年にUターンして3年目。

いまは弥栄町にある有機農園で働きながら、

森と海に包まれた丹後の暮らしを謳歌しています。

京丹後出身の人、田舎への移住を考えている人、自然と繋がる生活を思い描く人へ。

暮らしのあり方を探るきっかけになりますように。

そんな願いを込めて、このまちの四季と共にある風景をお届けします。

町中に水面鏡が現れる、春。


長く寒い日本海側の冬が過ぎ、

ポカポカ陽気な日も増え始めた、丹後の春。

特に5月中旬を過ぎると、まちの風景は一変します。

それは、見渡す限り広がる田んぼで田植えが始まるため。

水の張られた田んぼは鏡のように、空の風景を映し出します。

夕暮れ時には、空も田んぼも茜色に染まって、それはそれは幻想的・・・

田植えが終わり、苗が小さい期間だけ見られる水面鏡の景色。

一枚一枚違う人が管理して、

その積み重ねで作り出される風景であることを知ると、感動もひとしおです!

わたしのお米作り

実は米どころでもある京丹後。

春になると、どこからかトラクターが動き出し、田んぼに集まってくる人々。どこにこんなにたくさんの人が居たんだろう??と不思議に思うくらいです。

そして、我が家の先祖もやはり、丹後で田畑を耕してきたお百姓でした。いまは84歳の祖父が田んぼと畑を続けています。

わたしがUターンしてから新しく始めたことも、田んぼ作り。”家のお米を食べる”という、わたしにとって当たり前だった習慣を絶やしたくないと思い、祖父に田んぼを借りて稲作を始めることに。稲作初心者、今年は2年目に突入しました。

普段食べているお米の栽培過程を見たことは、ありますか?
お米作りはまず初春に種もみを浸水するところから始まります。
4月3日、桶に水を溜めて種もみを浸水しました。

生きている種だから、こまめに水を入れ替えて、酸欠を防ぎます。

わずかな水温を感じながら、種もみが発芽へと動き出すようです。

二週間ほど浸水した後は、種まきへ。

今年はコメ農家の先輩のところで、種まき機をお借りして作業させていただきました。

ふかふか〜な培土の上に種もみを落とし、

さらに上から土を被せて、お水もたっぷりとあげてくれるスーパーマシン!

種まきを終えた苗床は、発芽するまでシートを被せて、待ちます。

約10日後、ポツポツと芽が出てきました。

お米作りは、苗8割といわれるくらい、初期の苗づくりが大切なのだそうです。

実は、昨年は芽出しに失敗したわたしのお米作り。

今年は無事に芽が出て、とっても嬉しい・・・!

あとは、土の乾き具合を見て水やりを欠かさず管理します。

種もみを狙ってやってくるライバルは、ネズミやスズメ。

周りにネットを張ってガードします。

種まき15日後。

種まき20日後。

種まき一ヶ月後。

緑の葉っぱが伸びると共に、裏面の根っこも張り巡らされて行きます。

田んぼへ移っても、しっかり根付いてくれますように。

根っこが伸びるように、お水もあげすぎには注意。

甘やかせすぎずに見守る、見守る・・・

こうして始まったわたしのお米作りは現在、田植えを待つ期間。

周りの田んぼは、ほとんど田植えが終わりました。

我が家も田植えまで、あと少し。焦らず見守ることとします。


食と繋がる、丹後の風景

丹後で育ったわたしにとって、風景の一部だった田園風景ですが、田植えが行われるまでの裏側は、初めての発見でした。

  • 食べ物をつくる仕事が、風土・風景まで育んでいること。
  • 水は海へ続いていて、使う人たちの責任があること。
  • 田んぼで育つものに捨てるところはなくて、循環できること。

丹後で育つと感覚的に分かっていたつもりの営みかもしれませんが、Uターンして、農業に携わるようになって、ようやく実感を伴いながら学び直しているように思います。

”じぶんで育てる”に参加すると、なおさらご飯が美味しく感じること・・・丹後暮らしの幸せって、食に尽きるな〜 と思っているのは、私だけじゃないはず!


コロナ自粛の学生さんへ! たんこめ便 の取り組み

さいごに、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴って移動の自粛が行われている中、米どころの京丹後では、お米を元にした取り組みが行われました。

外出自粛により、アルバイトができない学生、仕送りがなくなり初任給が少ない社会人1年目の方を対象としたもの。食費を節約していたり、出かけることも出来ずアパートで1人で過ごす時間が長期化し、不安な気持ちも高まる中、

大切な家族や地域を守るためにゴールデンウィークに丹後への帰省を見送ってくれた丹後出身者を応援したい!そんな想いを込めて、丹後の有志のお米農家さんの協力により動き出した、お米と想いを届ける「たんこめ便」という企画。

主催は、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、丹後の飲食店や事業者も大きな打撃を受け、何らかのサポートができないかと考える有志のメンバーが集まり立ち上げた団体”All Tango Action”。他にも地域の飲食店でのテイクアウト情報サイトを運営したり、学生を対象としたパソコンの無償貸し出しなど、数々のプロジェクトを立ち上げています。

そして、たんこめ便申込みの対象は、丹後出身で帰省自粛中の

①大学生・短大生・専門学校生

②新卒1年目の社会人 

予約開始から2時間で満員になるほど、注目を集め、無料で合計200セットのたんこめ便が送り届けられました。

たんこめ便を受け取った方達からの反響も帰ってきました。

これを機に、丹後の食のこと・故郷のまちを今一度思い返すきっかけとして、

丹後のお米を食べてもらっていることでしょう!

また次に帰省される際には、お米が育まれた田んぼの様子にも注目して見てくださいね。

さいごに

このまちには、いつだって安心で美味しい食材と料理人が揃っていること、

そして、誰かが困ったときに立ち上がる繋がりがあること。

なんて誇れるまちなんだろう!と、この春の出来事を見ていて、改めて感じました。

そして、丹後暮らし探求記では、

農業や田舎暮らしにまつわる私の実体験を元に、丹後の四季を感じてもらえますように。

また、その時々このまちで起こっているプロジェクトの近況もお伝えします。

一年を通してお届けする予定ですので、また覗きにきてやってください!


本記事の中で紹介した取組み・団体

All Tango Action

たんこめ便(申込み受付は終了しています)